介護 ブログニュース

社会福祉の観点から、特に高齢者介護における現場での実情をリアルにお伝えします

スターバックスコーヒーを呼ぼう!   - CSR活用の原点No1-


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【施設から家に帰ったら何をしたい?】

介護老人保健施設での出来事。100人規模の施設ではあるものの、利用者の方は大半が特別養護老人ホームの待機をしており、大半は退去=特養入居という状況の中、1人の入居者の方がお元気になったため自宅へ戻る事になった。いわゆる在宅復帰である。その方に対して「自宅に戻ったら、何をしたいですか?」と問いたところ「美味しいコーヒーが飲みたいわね」と。施設でも提供しているが、確かに普通のコーヒーで、特別美味しいわけでは無い。『美味しいコーヒーの提供なら、施設でも出来るだろう』そう考えていた時に、まずはどのコーヒーが美味しいと感じて頂けるのかを考えた。色々悩み、人に聞いてもコーヒーの銘柄ブランドメーカーは好みが異なり定まらない。最終的には≪自分が純粋に、心から楽しいと感じることは、世代を越えて高齢の方にも伝わるはず≫という想いが強くなりました。

テイスティングパーティー
当時、社会福祉士資格取得のため愛用していたSTARBUCKS。行きつけの店舗に障碍者や車椅子、高齢者の方も集う。(コーヒーショップへの外出はどこでも実施しているが、店舗に行けない方でコーヒーを好まれる方もいるし、来てくれないだろうか?)当時、その店舗では新商品コーヒー豆の説明を行い、ミニカップにて試飲可能なテイスティングパーティーを実施していました。高齢の方はコーヒーを飲む量もさほど多くないし、豆の説明をした後に出来立てのコーヒーを口に出来るこのテイスティングパーティーを応用し、施設でも展開して欲しい!と考えました。

チャレンジ
(スタバに来てもらうにはどうしたらよいのだろう?)あてもなく、無謀にもスターバックス本社へTEL「すみません、老人ホームに来て欲しいんですけど・・・」こんな質問にも丁寧に対応して下さる電話口の方。「わかりました。それでは判断できる者に変わりますね!」結局、後日直接話をする事になりプレゼン資料を用意する。当日、コーヒーショップに行きたくても行けない高齢者の方も沢山居るので施設に来て欲しい!という想いを切に伝えると「この資料、作るのに相当時間かかりましたよね?わかりました。想いは伝わりましたよ」と。しかし、社会はそんなに甘くない。思い通りには行かないもの。続く・・・

◆ラジオ日本にて収録時に話したこと -前編-

ラジオ日本にて収録時に話をした内容について、お問い合わせがありましたので

ブログにて文章にしてみました。

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  • いま最も訴えたいこと

 高齢者が総人口に占める割合、いわゆる高齢化率は2010年の23%から2020年には30%に達すると言われており、現在も急速な高齢化が進展しております。また、加えて少子化もすすんでいるため、介護を担う人材が不足しているということは、ニュースでも取り上げられているためご存知かと思います。人材不足への対応策の一つとして、現在、介護業界では海外の方を介護職として採用している状況にあります。しかし、少子高齢化がすすむ日本の介護における状況は、人材不足だけではなく、すでにその先の問題が現場で進行しています。例えば、介護保険制度が施行された2000年から2016年までの、介護事業者倒産件数の統計では、昨年2016年度の倒産件数が最も高くなっています。急速に高齢者が増えつつ、このまま介護事業者の倒産が増加していくと、この先の日本の介護現場にどのような事が起こり、私たち国民がどのような状況になるのか。 ここに、現在介護に携わっていない方に関心を持って欲しいと考えています。

  • 高齢者介護の問題点とは?

 日本の平均寿命は世界でも最高水準となっています。ですので、一般的には高齢者になってからの人生も長い、と言えます。人は認知症になっても、介護が必要になっても人生の最後まで、人として尊重されながら暮していくこと、これを誰もが望んでいます。日本も昨年からケアプランを作成するプロセスの中で人工知能、AIを活用するための検討しており、介護の効率化や負担軽減を図ろうとしています。課題が山積する高齢者介護では、AIを取り入れ効率化や負担軽減する事も必要です。そして、高齢者介護の問題点は、認知症や要介護状態になったとき、誰もが人として尊重されながら暮していける環境をつくること、ここが一番の問題点であると考えております。

  • 介護職員の現状と問題点は?

 介護職員の現状を待遇面からみると、決して良いものとは言えません。冒頭にもお伝えしたとおり、介護保険制度が施行されてから、昨年度が一番介護事業者の倒産件数が多い現状を考えると、待遇面に期待できる状況ではありません。また、国の財政や社会保障費からみても、今以上に介護業界や職員に対してお金を捻出することは、容易ではありません。しかし介護職員の仕事は、非常にやりがいのあるものです。働いている介護職員1人ひとりは、日々業務に追われつつも、それぞれに志を持ち真剣に働いています。志を持った介護職員は、経営者や管理者へとなっていくわけですが、この場合、経営者や管理者としての知識や経験を積む環境がほとんどありません。これが、現状の問題点です。人が高齢になったとき、誰もが尊厳を保った生活を送るためには、それをサポートする『介護事業者』と、直接高齢者に携わる『人材』が必要です。そのために、まずは介護事業者の経営改善を図り、介護職員の待遇面をも変えていく必要性があります。

後半については、ラジオ放送後までに文章化しようと考えてます。

人生一度きり、遊びも仕事も真剣に・・・

 

 

自然発生した地域コミュニティ 

 

地域交流とは】-こどもの日 こいのぼり編-

 

 

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都内で施設の立上げをした際のこと。当時、設備は最新で備品も新品。そんな環境で働けることを日々楽しみながら仕事をしていたある日、介護スタッフからある相談を受けました。「そろそろ、子どもの日のレクリエーションの企画をしたいのですが・・・」。一通りのレクリエーション物品は揃っているものの、大きな鯉のぼりは手元に無い。「予算を見ても子どもの日は約1万円程度なんです」とスタッフから話は続く。ん~、確かに予算で大きな鯉のぼりは買えない。更に追いうちをかけるように「1万円でこいのぼりなんて買えません」と言われたとき、スイッチが入った。

たかが一万円、されど一万円・・・ 100円が100枚

100円均一でこいのぼり売ってないの??

売ってました!鯉のぼり。しかも、赤と青の2匹で100円。。。
「買えるよ、200匹」
購入しました!ヒモでつないで、屋上から吹き抜けへ、館内の窓から入居者に見えるよう窓の外に、また、建物の前にある道路を通る通行人から見える場所へ。。。

数日後、スタッフから「あの鯉のぼり、地元の子どもたちの間で話題になってますよ!」と。その日の15時頃、タイヤのスポーク部分にテニスボールをはめた子どもたちの自転車が5~6台、老人ホームの前に停車している。自転車を降りた子どもたちは皆上を向いて鯉のぼりを見つめてる。窓から見下ろす入居者と、見上げる子どもたちが手を振っている。間接的だけど、地域交流ってまさにこの事だと思います。
vol.2

介護のブログ -ラジオに出演します-

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はじめまして
ブログをはじめて書きます

突然ですが、先日ラジオ日本1422kHz「清水勝利のこれでいいのかニッポン!!Part2」(*1)へ収録を行いました。ラジオパーソナリティでもある清水勝利様は、元議員さんで、現在は行政改革専門家として活躍されております。今回の収録内容は、これからの政治を徹底議論する真剣勝負の番組というということもあり、真剣に想いを伝えてきました。

話をする前に、ブログを書くことがはじめてですので、少しだけ自己紹介をさせて頂きます。経営学を専攻していた大学時代、あるキッカケから介護に目覚め、介護業界に足を踏み入れております。特別養護老人ホームへ就職した後、介護老人保健施設地域包括支援センター(在宅介護支援センター)を経て、現在、有料老人ホームの施設管理者として勤務しております。また、2年前、福祉に携わる人として何か地域に貢献できないかと考え、勇士達と共に任意団体ARCHを結成しました。最近では、介護業界で働く人たちに対して、MBAレベルの教育を無償で行うKAIGO LAB SCHOOL(*2)の第1期生として卒業しました。私自身、感情に左右されにくい人間であると同時に、2局面の性格を持っていると自覚しており、いつもは能天気な性格で、くだらない話をするのですが、仕事や興味を持ったものには猪突猛進です。仕事の話をすると、相当熱くなるねと、よく言われます。

【何で介護やってるの?】
日本人の平均寿命は世界の中でも最高水準ですので、原則的に日本人は高齢者になってからの人生も長いと言えます。高齢者になった時でも、私たちは人として尊重され生きていくこと、これは誰もが望むことでしょう。現在、介護に携わっている人であれば理解されると思いますが、現在介護に携わっていない人には、イメージが沸きにくいためピンと来なくて当然の事だと思います。ラジオでも話をしたのですが、昨年ケアプランの作成におけるプロセスの段階で、国は人工知能であるAIを活用しようと検討しはじめました。こうした動きは、業務の効率化や負担軽減につながっていきます。その一方誰もが望んでいる、人が人として尊重される事を感じるのは、原則的には相手が人間の場合です。人がみな心豊かで、誰もが安心した生活ができるような環境をつくりたい。そんな漠然とした想い抱き、この業界に携わっています。

【何を書くの?】
これから何を書こうかと、色々と考えてます。介護現場では、思わず笑ってしまうエピソードも沢山ありましたし、ビジネス・スクールでは品質の高い講義を学びました。そして現在の立場で日本社会の現状や課題、特に高齢者・経営者・現場スタッフなど、多角的な視野から物事を見極めたうえで伝えていきたいと思います。

初回はこの辺で。読んで頂いた皆様方に感謝致します
ありがとうございました

(*1)1422kHz 清水勝利のこれでいいのかニッポン!!Part2
    http://katsutoshishimizu.com/
(*2)KAIGO LAB SCHOOL
    http://kaigolab.com/school/10206